グルメの部屋(4124)グッチ オステリア マッシモ ボットゥーラ   昨年グッチの傘下で伝統的なイタリアンレストランとしてオープンした銀座の店

イタリアン < 2023年ミシュラン東京 ☆ (2) >

住所:東京都中央区銀座6-6-12 グッチ並木 4F  050-5570-1630

(評価)☆☆☆☆ / 4.2

(*評価基準:5=毎週行きたい/ 4=1回は行きたい/ 3=年一回程度/ 2=もう行かなくても/ 1=絶対行きたくない)
*評価については、事前期待と事後評価にギヤップがある程(事後評価の方がいい場合)高くなるように☆を付けています。またシナリオを持っている店を評価しています

(コメント)

この店はグッチ オステリアという一つの傘の下で同じ価値観や理念を大切にしながら、世界の選ばれた都市でそれぞれに進化するコンテンポラリーなレストランです。伝統的なイタリア料理にクリエイティビティ、エレガンス、遊び心、センシュアリティを織り込み、その土地ならではの多様性とアイデンティティを表現した独創性あふれる料理を味わえます。昨年日本にオープンし早速今年ミシュラン☆を獲得しました。昨年立ち上げ時に一度訪問しました。フィレンツェ、ロサンゼルスに続く世界3店舗となるグッチオステリアです。コロナでシェフがイタリアから来られず、しばらくプレオープン状態で、10月末にグランドオープンとなりました。

場所は並木通りの「グッチ並木」の最上階。もうエントランスからすごく凝っていて同伴者はテンション上げまくりです。フィレンツェのヘッドシェフ カリメ・ロペスが共同監修を務めています。レストランの入り口は並木通り側で帰りは店舗を見て帰ることも可能です。店内はグッチのイメージ、グリーン。お洒落でグッチの世界観を楽しむことができます。特に一階の廊下は異次元の空間です。エントランスからエレベーターに向かうまでのアプローチが圧巻。ミステリアスというか何と言うか、このセンスはすごいです。エレベーターで最上階に到着。東京のレストランとしては珍しくウェイティングスペースが用意されており奥にはテラス席も。気候の良い時期にはアペリティーボを楽しんだりもできるそうです。ダイニングのインテリアもヨーロッパ風でお花がそこかしこに飾られているのが印象的ですね。都内のレストランとしては最もお花に凝った店かもしれません。細く長いグリッシーニと共に食前酒を。ワインリストはありますがカジュアルなドリンクメニューは無く、この日用意されているグラスワインは口頭での説明です。ちなみにお会計時に明細を確認するとグラスワインは13千円を超える価格設定であり、かなりの高めです。12,000円のコースを頂きました。内容は下記の通り

アミューズ3種とスープ

フォカッチャ 蜂蜜 トリュフ

海と山のリゾット

トルッティーニ パルミジャーノ レッジャーノ

Pizza non Pizza

Baba in 沖縄

ババ チョコレートアイスクリームとマスカルポーネムース

食後のお飲み物と小菓子

早速アミューズがズラり。いずれも手の込んだ品々であり、これ以上無いという完成度です。提供までのスピード感も悪くなく、最高級店としての凄味を感じる瞬間です。フォカッチャにクリーム、ハチミツ、トリュフ。シンプルな組み合わせでありどこにでもありそうな料理ですが味覚に精緻なグラデーションがあり、感得する美味しさです。牛のタルタル)にキノコのお出汁を流し込みます。普段あじわええない見事な出来の料理です。パンはどっしりと重厚な味覚であり、この後、ソースがコッテリな場面が続くので、それらを拭って食べると、それだけで立派な料理です。パスタ料理は「トルテッリーニパルミジャーノレッジャーノクリーム」。詰め物がされたラビオリ的なひと品なのですが、ソースが濃厚で美味しい。30か月熟成させたパルミジャーノ・レッジャーノを気前良く用いており、普通のチーズの風味の5倍は濃いでしょう。メインは沖縄の豚肉。厚めにカットしたものを低温で熱を通し、その後に濃厚なソースと共に仕上げます。

デザートはババ。生地にたっぷりとラムを染み込ませ、甘さ控えめの生クリームと合わせてシットリと宴を締めくくります。パイナップルの陽キャな甘味が心地よい。お茶菓子も凝っていて、やはりこういう部分に凄味を感じてしまいます。食後のコーヒーでフィニッシュ。コーヒーはかなり濃厚で同伴者は合わないとのことでした。ごちそうさまでした。以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり1.5万円といったところ。グッチラヴァーであれば一度は訪れておくべき必修科目と言えるでしょう。客層の90%は女性で外国人やモデルが多かったです。一方で、客に緊張を強いるタイプの店でもあるので、若いカップルがお祝い事で訪れるには全くオススメしません。銀座には「シャネル」や「ブルガリ」などのレストランが多いのですが、それらと比べるとサービス面でやや見劣りするように私は感じました。食事を楽しみながら素敵な時間を過ごすというよりは、グッチの世界観を覗き見するためだけの観光地。グッチが好きで好きで仕方がない人にはいいレストランです。調度品はほぼイタリアから運んでいるそうです。テーブルも椅子も壁紙も食器類も全て可愛いです。料理の量は多くなかったですが濃厚なチーズが多いせいか満腹感はかなりあります。またフイレンッエで味わう本格的イタリアンレストランとしては都内随一と評価します。感動するほど美味しいという訳ではないですが、とにかくこの非日常感が良かったです。

 DSC03295

DSC03296

DSC03298

DSC03302

DSC03304

DSC03306

DSC03309

DSC03305